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◆アレクサンダー・テクニークとは?

 F.M.アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander, 1869-1955)は、シェークスピアを愛する オーストラリアの俳優でしたが、舞台に立つと声が出なくなるという問題に、次第に悩まされるようになりました。
 声が出なくなる原因は、病院に行っても知ることができませんでした。

 そこでアレクサンダーは、自身でその原因を探すことを決心し、鏡の前で、自分の朗読する様子の観察を始めました。
 まずアレクサンダーは、朗読を始めようとする瞬間に、頭を後ろに下に引っ張り、咽頭を押し下げ、口から息をあえぐように吸い込んでいた事を発見しました。

そして、その3つの観点を基に観察と実験を辛抱強く続けた末、頭と胴体の関係が身体全体のバランスを 決定することを発見し、それを改善することによって声の問題を解決することに成功したのです。


 その後アレクサンダーは約10年かかって、ひとつのテクニ-クとしてそれを発展させました。
 アレクサンダーのテクニ-クは、現在では世界各国で教えられ、欧米では音楽大学、俳優養成所、病院等でも 取り入れられています。




◆アレクサンダー・テクニークはどんな人に役立つの?

姿勢が悪いと悩んでいる方

アレクサンダーテクニークでは、正しい姿勢という言葉は使いませんが、身体が一番うまく使える状態を根本から習うことで、結果として見た目が美しい形になります。

よくレッスンで起きることは、以前より服が似合うようになったり、又実際に身長が高くなったりすることがあります。




●音楽家、演劇家、武道、ダンサー、スポーツをされる方

 皆さんは、楽しく練習ができていますか?毎日の練習の後、身体に痛みを感じたり、疲れきっていませんか? 思うように技術が身につかないのは、「才能がないから。」「歳をとり過ぎているから。」などと諦めていませんか?
 大抵の場合、身体が何か余計なことをし過ぎていることが、パフォーマンスの妨げとなっています。 ですから、練習をただひたすらやるだけでは問題は解決しません。時に練習は、悪い習慣をより強く してしまう場合があります。  アレクサンダー・テクニ-クでは、ふだん、無意識にやっているパフォーマンスに妨げとなっている習慣に 気付くことによって、本来私たちが持っている身体のバランスを取り戻し、無理のない身体の使い方を学びます。

●肩こりや慢性的な痛みにお悩みの方

 アレクサンダー・テクニ-クは「治療」ではありませんが、もしあなたの痛みや肩こりなどが あなたの体の使い方のせいで起こっている場合、その使い方を変えることによって痛みなどが減少することがあります。   また、アレクサンダー・テクニ-クのレッスンを通して、自分がふだん無意識に行っていることを知ることにより、 痛みや病気と自分との付き合い方を考え直す機会になるのではないかと思います。


●長時間PCを使ったり、きつい姿勢で作業をする方、また職場で多くのストレスを感じている方

 長時間、不自然な姿勢を強いられる職業の方は、職業上、その姿勢をやめることは難しいでしょうが、 自分が今どういう身体の使い方をしているのかということを意識することで、疲労を最小限にすることができます。

 また職場において、人間関係でストレスがある方も、アレクサンダー・テクニ-クを通して自分を知ることによって、 人間関係をもスムーズにできることがあります。


●セラピスト、整体師、マッサージ師の方

 人のケアをする職業の方の場合、患者さんを第一に考えようとして、自分の身体のことを忘れがちです。 その結果、ひどく疲労してしまったり、患者さんに伝えるべきことが思うように伝わらなかったりすることがあります。

 いつも自分の身体に意識を向けることで、患者さんとのコミュニケーションが更に良くなり、効率の良いケアが できるでしょう。


●介護予防に

人生100年時代と言われる今、介護なしで生き続けるためには、身体(足腰)が健康であることがかかせません。アレクサンダーテクニークで習う身体の使い方は、一生役に立つものであり、健康寿命が長くなるのを助けます。



●身体の使い方を良くしたい子供たちへ

身体の使い方を子供のうちに学んでおくと、今後何を学ぶにもそれが基礎になるので、とても役にたつはずです。その学びは、今後長い人生において、体育、音楽的なことを学ぶ際や外見、メンタル的なことにまでつながってくるでしょう。

●側弯症の方へ

アレクサンダーテクニークで側弯症が治ります、と言うことは言えませんし、脊椎自体が真っすぐになることはありませんが、脊椎の左右の筋肉バランスが整うことで、均整の取れた身体により近づくことができます。子供の場合、成長期にさらに側弯の度数が進むことも軽減できる可能性があります。